2010年8月8日日曜日

まちの景観

今年はなぜか、景観の研究をしたいという学生が多い。それはそれでいいこと。どんどんやれ!と思う反面、アレレ?と思うことも多い。まず、景観とは何かということにあまり疑問を感じていないように思える。景観っていうのは、入り口は分かり易い感じがするが、実はとてもわかりにくい。みんなここで迷う。眼前の視覚像を景観というかといえばさにあらず。受け手がどう感じているかという主観をも含む現象である。つまり、人によって違う。そんなもの研究できるの?ということになるが、集団表象もある。やはりいい景観に出会うと、多くの人がその価値観を共有しているということはある。ではどのような景観を人はいいと思うのか。あるいは印象に残るのか。これは、視覚像を構成する諸要素(ディスプレイ、構図、地景)といった物理的側面と、受け手側の心理的側面が相互に絡み合って成立する。書き出すときりがないが、要するに景観論っていうのはこういう点が大事。
世に言う景観形成とは行政施策としての景観形成であって、これは建築物の形態意匠の制限や広告物、電線電柱の地中化、舗装や街並みの修景を指す。まあ、このあたりが誤解を招く点なのだろう。
がんばれ若者。

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