2010年3月3日水曜日

読み物

以前、塩野七生さんのローマ人の物語を読んでいる話をしたが、いまは30巻あたりまで読んだところ。いわゆる五賢帝の時代とローマのインフラ整備に関わる部分。これはこれで読んでいるがやはりカエサルの頃と比べるとドラマチックな展開は少なくなってくる。面白くないわけではないが、他の本にもつい手がでてしまう。
そこで、バーナード・ルドルフスキーのみっともない人体を読んでみる。この人は建築家なしの建築というSD選書で知られるウィーン生まれの建築家。世界中の都市に住んだ経験からヴァナキュラー建築に対する関心が深い。みっともない人体とはこの人間版という感じの本。各地、各時代の様々な「かっこいいとされる」ファッションを取り上げて、その特徴を読み解いてゆく。我々がある固有の地域で、ある時代に常識としていることがいかにちっぽけな価値観なのかということが見えてくる。
新しい価値を見出すには常識を疑う姿勢は欠かせないように思う。我々が思う、望ましい都市とは、なんなのか。後代の人々、他地域の人々はみっともない都市と笑うかもしれない。いたって本人達は真剣なのだが。

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