2009年8月17日月曜日

市町村合併

河内長野市と千早赤阪村の合併が断念されたというニュースが先週末新聞などで伝えられた。私は合併協議会の委員として合併協議の議論を聞いてきたが、とても難しい議論だった。公務のため、なかなか出席がかなわなかった心苦しさもある。
議事録は合併協議会のホームページで閲覧できる。(議事録の内容も発言そのものを忠実に記載されているので、どのような議論が行われてきたかも伝わってくると思う。)
今回のケースに限らず、市町村合併ではそれぞれの自治体の個性や特徴が異なる。地勢的条件も産業構造、人口構成なども違うので、合併する際には各施策をどのように見直していくかという擦り合わせが大変になる。マジメな自治体であるほど、それぞれ住民のための個性的な施策を展開している。そういう意味では河内長野市も千早赤阪村もマジメに住民のために取り組んでいる施策があったと思う。
また、合併を実施する大きな目的として自治体財政の厳しさがある。放漫経営などしていなくても、堅実に政策運営をしていても多くの地方自治体は厳しい財政状況にある。したがって、合併協議でも厳しい財政事情の制約のなかで議論を進めていかざるを得なくなる。
一般的には市町村合併の効果が明確に見えるには一定程度の時間が必要になってくる。20〜30年後には必ず効果が見えてくるが、それまでの期間は目に見えた効果を謳うことが難しいのも確かだ。
都市計画に関わる立場からいえば、成熟型社会を展望した時、コンパクトシティ化や住民の内発的なまちづくりの活性化、地域の歴史や文化、景観などを生かしたまちづくりなど、都市計画面においても基礎自治体の果たすべき役割は大きい。ますます大きくなっていると言ってもよいだろう。いずれにしても次代の都市像を構築してそれに向かう施策の展開は欠かせないように思う。
先行き不透明な時代。様々な不安が頭をよぎるなか、どの選択が最良であるかという判断を下すのはとても難しい。いまの状況を変えることは覚悟が必要にもなる。その不安を解決するには、それぞれについてひとつひとつ丁寧に議論を深めて解決していくしかない。しかし、現実の協議には時間的制約もある。
いずれにせよ、今という時代、次代の都市像を議論し続けることが今後とも欠かせないように思う。関係者の方々が丁寧に準備されてきたことは、今回の結果如何に関わらず今後のまちづくりに生かしていくことが重要だと思う。

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