2009年8月7日金曜日

都市計画学会関西支部講演会

8月6日午後。都市計画学会関西支部講演会開催。水辺・アート・まちづくりからの都市再生 神戸と大阪というテーマ。神戸はデザイン都市というコンセプトで新たな都市像の構築を進め、神戸らしさの表現、洗練と継承・継続的活動としての神戸ビエンナーレを2007年度から実施中。大阪は水都大阪の再生をテーマに事業展開を進め、今年は水都大阪2009が開催される。都市計画には一見関係ないテーマのように見えるが、地域らしさ、都市らしさを表現するまちのデザインや都市のアイデンティティを象徴する場所のデザイン、土地利用を活発化していくという戦略が含まれている。神戸の場合は港、ウォーターフロントであり、大阪の場合は水辺である。現在の都市計画が抱える問題として、工業系用途での土地利用転換や高層マンション建設、中心市街地の空洞化などこれまで想定していなかった都市の変化がある。これらへの対応として都市計画に求められていることは多いが、それぞれの問題に対処療法的に対応しても、都市の未来像、将来像を明確に示すことにはつながらない。(かといって、こういう努力が不要というわけではない。)つまり、都市計画は、都市の安全性や健全性、機能性を担保するセイフティーネットとしての役割と同時に、夢のある都市の将来像を示す役割もある。狭い意味での都市計画に拘らずに、都市の未来を示す。神戸も大阪も変化する時代のうねりのなかで、その答えを摸索する試みとして、それぞれの活動は位置づけられるだろう。
担当者の方々の熱い思いが伝わる講演会であった。講演会終了後は関係者で懇親会。都市計画学会企画事業委員会の面々は学者だけではなく、行政、コンサルタントなども多く参加していただいている。特に行政の方々は各市の事情、問題意識に関する意見交換の場として活用していただいているように思う。特に近年は横並びの施策ではなく、各都市独自の取り組みも進んできており互いに興味があるようだ。学会という場所に実務者が参加する意味として、企画事業委員会を活性化させていくことは重要だと思う。


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