2009年7月25日土曜日

COU 高度地区の可能性

24日夜、市大梅田サテライトにて今年度第2回COU(大阪市立大学都市計画研究会)を開催。テーマは高度地区の可能性。近年各地で導入が進む絶対高さ制限型高度地区の取り組みについて講演と意見交換の開催。西宮市で長く都市計画に取り組まれた猿渡さんと、北摂での高度地区導入にかかる検討に関わっておられるコンサルタント、ジャスの島田さんが発表。西宮市ではすごい開発圧のなかで、市街地をどのようにコントロールしていくかという問題意識がある。一方箕面は良好な住宅環境をどう保全するかという視点、かたや茨木市は工業系用途や駅前商業地などにも導入していて、高度地区導入の目的が激変緩和、アーバンデザインの手がかりとして位置づけられている。 もともと関西の都市では新都市計画法導入時に定められた用途地域や容積率が甘いという意見もあった。確かに用途地域でいえば、住宅系用途のなかでも2低専が多いが、この2低専というのは中途半端だ。戸建しか建てられないわけではないし、敷地さえ大きければそこそこ大きなマンションもたってしまう。が、現実には戸建が多いという状況もある。こうした都市計画の運用に関する矛盾のなかで、高度地区に対する導入への関心が深まっているといえるだろう。 一方、高度地区制限は業者イジメである割には、アーバンデザイン(=よい景観をつくる)までしているわけではなく、大雑把すぎるという指摘もあった。このあたりは見解が分かれるところでもあるが、都市計画とは目指すべき市街地像を提示するべきであるという点においては共感がある。 一方で地区計画への期待というのもあるわけであるが、これもくせ者で、地域エゴがむき出しになり、排他的なルールの導入もあったり、地区計画を導入したからといって、市街地の将来像が定められていないのも確かである。 やや地味なテーマであまり関心がないのではないかと心配していたが、満席。これからの都市計画がどうあるべきかという入り口としてはよい素材であったように思う。

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