2010年5月12日水曜日

箕面de川床


箕面の川床に行ってきました。大阪府の方にご案内いただき、箕面観光ホテルの石川会長、橋爪紳也先生らと現地見学後、川床で会食。
公園、河川、文化財関連の規制のなかで川床社会実験を展開していることもあって、制約も多い。社会実験終了後の原状回復(つまり川床は撤去)、上下水道、厨房設備、電源など様々なインフラが確保することが難しい点、初の試みであって集客や収益性の見込みが立たない点など。経営、オペレーション面でもいろいろと課題がある様子だが、第一歩としては成功したのではないかと多くの人は考えてくれているようだ。
いろいろな制約のなかでも、関係者の尽力によってなんとか社会実験を成功させてくれた。
GWには大人気だったようで、アンケート結果の速報値も高い評価だ。
川床からの景色はいいし、遊歩道と全然違うのは水の音。ロケーションの音響効果との関係があるのだろうが、水の音が大きく聞こえてくる。気分が良い。
川床のグレードをもっと上げられないか?開店していない時にビニールシートで覆うのはどうか?など、様々な課題があるのも事実。だが、最初からハードルを高くすると、民間事業者の参入は難しくなる。徐々に解決していけばいい。まずは定着して、箕面の風物詩になることが大事。
定着していけば、インフラの整備やデザインの議論にもつながるし、風景を味わう場も出来れば、公園のデザインの手がかりにもなる。歩行者動線と川床との関係は少し考えたデザインや植栽などの工夫も重要だと思う。
今後箕面公園では夜間ライトアップや修景事業が予定されている。こうした取り組みと連動させて、さらにレベルをあげてほしい。
なぜ川床の社会実験が大事なのかということを、風景の観点から、公共空間のデザインという観点から少し説明しておきたい。
川床の意味は、なにも川床で食事をすること、観光名所をつくることにとどまらないと思っている。遊歩道を歩いている沢山の人たちの目に映る風景の変化にも一役買ってくれるはず。親水象徴という考え方。川床で佇む人がいるだけで、風景に人間の居場所が埋め込まれる。そのことで、水辺に親近感が湧いてくる。これはOSOTOのデザインでは特に重要なこと。そうなると、公園、水辺という場所が人々にとって違う意味を持ってくる。これが本当に重要なことだと思っている。だから、水辺の社会実験は重要なのだ。




0 件のコメント:

コメントを投稿